ざあざあ。

『Hamlet』稽古でした。

金ちゃん(金原並央さん)が電車に乗っていて傘を目の前で鮮やかに盗まれたという話を聞く。
本当に驚いたときには声も出せないとのこと、そうだろうな、と思う。ぼくも動けないだろう。何かの間違いだと思ってしまう。

おなか☆すいたろうさんの笑顔が最高にいかしていた。
笑顔から暴風が吹き荒れていた。

はじめて立ち稽古する場面で、真理くんがのっけから全開で立ち回り、気持ちよく風が吹いた。
豪傑がそこにいた。金ちゃんはシーンを返すたびに新しい何かを盛り込んでくれて、新しい可能性を立ちのぼらせてくれた。

ぼくはとてつもない昔、役者をしていた。
この頃はもう舞台の上にどう立つか、その感覚を忘れてしまった。
自分の言葉が、視線が、からだが、劇の時間を前に進めるということ。
火を絶やさぬように運ぶ、その繊細な仕事に敬意を抱く。

稽古を終えて、雨が強まる。ざあざあ降りだ。
けーけ(千葉恵佑くん)が「傘なんて知らないさ」とずぶ濡れで歩いていたけれど、大丈夫だろうか。
風邪をひかないでね。

(波田野)

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