一冊の書物から。

稽古の前、横浜で、薄田さんと松本さんと、反省会的な、お話。
へなちょこのままお話をして、何なら錯乱しそうになって、でもお二人はやわらかく、僕が演劇をはじめたときの調子のまま、朗らかに、厳しく、まっすぐに向き合ってくださった。頭を垂れる。

稽古。
後半部にわずかに触れる。
みんながアイディアを出しあってくれた。

帰り道、横浜の大きな書店に立ち寄って、気になっていたいくつかの本を手に取る。
最後に手に取った本の、適当な頁に目を走らせて、しばらく動けずにいた。
僕が稽古場で言葉にしようとして舌のもつれることを、その人は深く遠大な知性のもと、確信をもって語っていた。ありえないほどの孤独の深さを、無言で引き受けているようだった。

演劇をなぜ必要としたか、初心を思い返す夜。

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写真は、二年ほど前に、ヴェネチアへ旅行した友人から「きみのところの劇団員がテレビに映っているようだ」と送られてきた写真。
どなたか存じ上げませんが、折りに触れ、見返しています。

(波田野)

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